Less is more.(少ないことは豊かである)

『Less is more.(少ないことは豊かである)』
この言葉を建築に用いたのは、近代建築三大巨匠のひとりであるミース・ファン・デル・ローエ氏。
同氏の建築は、その言葉を体現するようにとても少ない要素で成り立っていて、その中でも有名な住宅が下画像のファンズワース邸(1951)です。


間取り図を見てわかる通り、柱や壁など機能面で住宅に必要な部分が、最小限に表現されていることを感じます。
ただ、住宅においてシンプルにすればするほど、本来なら気にならない部分が目に入るようになる、不格好に見えるようになってくることはよくあります。(部屋を掃除したら床のシミが気になるようになったとか、そんなことでしょうか)
そこで同氏は 『God is in the details.(神は細部に宿る)』 という言葉も残しています。
なかなかにスケールの大きな話なので身近なことで表すと、
「柱や造作家具の納まりとか、構造、機能上醜くなる部分を、どうすれば綺麗に収めることが出来るのか、それらすべてに工夫を凝らすことで、パッと見の印象が変わってきますよー」という事だと思います。下画像ではサッシが床から天井まできれいに収まっていたり、収納が壁と一体化されていることがわかりますね。
ただ引き算をするだけではなく、それによってあらわれる僅かな違和感も対処する。そこまでしてやっと、シンプルであることが許されるのかもしれません( ;∀;)

ミース・ファン・デル・ローエ氏の住宅造りを参考に! というとなかなかハードルが高いですが、今回ご紹介した2つの言葉は、きっと、満足のいく住宅造りへの道しるべになってくれると思います。